【中国市場コラム】「tatamiser 」中国で増加中

 

「tatamiser(タタミゼまたはタタミーゼ)」という言葉をご存知だろうか?「畳の上での生活」という意味を持つフランス語の造語である。も ともとは「日本のように椅子を使わず、床で直接生活する」といった意味合いで使われていたようだが、近年は「外国人の日本化」を指す言葉としても使われて いる。このように日本の代表としても知られるタタミであるが、それが中国でも広く受け入れられているのである。

 

 上海の建材市場付近でよく見られるようになったとある3文字「榻榻米」。中国語のピンイン表記をしてみると…「tatami」。そうタタミである。

試しに上海でも有数の建材店舗ストリート・宜山路にある小さな店に入ってみると、そこはまさに純和風スペース。狭い店内には障子にふすま、床の間などをしつらえた小型の和室がモデルルームとして設置されている。

 同店舗は「和室のトータルコーディネート」を請け負う店舗のうち、インターネット上の口コミで好評を得ている店である。
 以前(05~08年ごろ)は主に日本料理店の内装を請け負っていたという同店。もちろん現在もその業務の比率は多いが、2009年前後から個人住宅での和室内装ニーズが増えてきているという。

 

 個人住宅の場合、マンションであるため数室ある部屋の1室を和室風にしつらえるケースが多いのだという。
ただ、日本と異なる点もある。日本では基本的に床に直接タタミを敷き詰めるが、こちらでは上げ床にして、下を収納スペースにするのが一般的となっている。そしてさらに、中央部分に電動マージャン卓を思わせる「昇降卓」を設置、掘りごたつのようにして座るのである。

 

 こうした、中国におけるタタミは大部分が国内産である。日本でも「中国製のタタミ」が流通しているように、中国各地にタタミ人気があり、内販へとシフトチェンジしている。また、ある寧波市の企業は日本のタタミ製造設備を導入し、畳の製造販売を行うといった例もあり、国内企業が積極的に参入している。

China Brand News 2013 SPRING」(2013年3月発刊)より抜粋