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[~世界的ブランドバッグが方向性を左右する、ファッションのスタンダード
~中国ローカルブランド「Hot Wind」や「海上網」の台頭 ]

 

中国のバッグ・袋物市場は、ここ数年の間に目覚ましい成長の軌跡を描いている。まさに中国人は高級品に目覚め、憧れのブランドを手にして自分の愛着する品として身につけるようになった。つまり、ステータスを追求するブランド志向型の消費動向変化を如実にあらわしている。中国人のバッグ・袋物の使用や習慣の実態変化は、中国人のブランド志向そのものを反映する動きとして捉えることができ、今後中国消費市場への参入を狙う企業にとっては、なにより参考価値のある研究に値するマーケットである。

現在、中国市場でバッグ類を購入する顧客群は、おもに開放路線以降生まれた若者層である。彼らはブランドの価値をよく理解している。高価なバッグに憧れるが、それなりに美しいデザインで良質に仕上げられた普通の製品にも目を向ける。

これはこの5年くらいの間に顕著になった傾向だが、中国で発行されるファッション雑誌に登場するハリウッド大物スターの街中で撮影されたグラビアやアメリカの人気ドラマの影響であろう。

当然、富裕層、あるいはブランド崇拝者であれ、経済的に余裕のある若者が増えてくるにつれ、自分の好きなスターが愛用しているブランドバッグを自分も身につける、みんなが先を争って流行のバッグを手いれたがる、そのような風潮になってきた。

中国人民にとって、ブランド品はもはや憧れの高嶺の花ではなく、中には、熱心なブランドコレクターもいるという。表層だけを見るならば、ただ単に盲目的にブランド崇拝をしているだけにしか映らないかもしれない。しかし、その彼らの実際は、自分だけのファッションを追求する、個性の体現を実行する人たちであり、その中に有名ブランド品という選択支も含まれるだけのことだ。

中国の現代の若者が外国の有名ブランド品を支持するのは、かっこいいから、世界の流行だからという理由だけからではない。それらの世界のファッションを牽引する役割を担うブランドこそが、時々のファッションのかっこよさや流行のスタンダードを形成する重要ファクターだからである。

本物のブランドを愛する若者の存在と並行して、また別の若い層の消費者たちは、つくりがしっかりしていて流行を取り入れた普通の製品を愛用する。

「Hot Wind」や「海上網」など、中国ローカルブランドだが、海外風のセンスが利いたおしゃれな、しかも値段もリーズナブルで品質もよいものを打ち出してくるチェーン店とネットショップの愛好者が増加している。

それが、現在の中国人消費者たちのバッグ選びのポイントではないだろうか。それは、まさに、中堅・中小ブランドが台頭するのに、今、ちょうどよい時期とみて間違いなかろう。

「China Brand News 2011 summer」(2011年6月発刊)より抜粋